9月入学になると…
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5 月に入ってしまいました。
例年だったら今頃は…ということが、すべて覆っていて、1 年前どころか 3 か月前にもまったく予想していなかった世の中になっていますね。
今年の連休中は天気が良さそうだから、スケジュールびっしりの大会運営もバッチリだな。 ここで、小中学生たちが一回り大きく成長するんだよな。
…なんて張り切っている時期だったハズなのですが。
ところで、9 月入学に移行するという案が、いろいろなところから持ち上がってから、国のレベルでも検討するというような話が出ていましたね。
最高学年の子たちの顔を思い浮かべると、そのほうがいいのかな…と思ったりもします。
スポーツなどをやっている子たちにとっては、 夏の都道府県単位の大会、関東などのブロック大会、そして全国大会を今から急いで準備してやらなくてよくなります。 すでに中止が決定されているインターハイや全中などの時期を、冬や春に遅らせて実施できる可能性が高まります。
受験生たちにとっても、入試の時期が後ろにずれれば、学校の授業の遅れを何とか取り戻すことができるようになるでしょう。
学校現場でも授業のカリキュラムを余裕を持って組み直すことができます。
そして、大学の入学時期を外国と同じに揃えることができます。
ただ、ベネッセの Web サイトによると外国の大学入学時期といっても、9 月入学の主な国は、
- アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ベルギー、トルコ、モンゴル、ロシア、中国
などだそうです。
- シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、パナマ、タイ、フィリピン
などは 4 月ではないけど、9 月でもないとのこと。
まぁ、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、中国…と合わせるいうことで、9 月入学に合わせるメリットはかなり大きいのかもしれませんね。
ということは、9 月入学は良いことばかりなのかな？
しかし、血液型 A 型の花園としては、それよりも気になることがあります。
学年と年齢の関係です。
9 月入学になったら 1 学年の誕生日は何月で区切るの？？？
今、小中高生になっている人たちは、誕生日が 4 月で区切られて学年が決まっています。
(厳密には法律の関係で、4 月 1 日生まれと 4 月 2 日生まれで区切られていますが、ここでは煩雑になるので月単位で書いておきます。)
今 9 月入学に変更すると、この誕生日 4 月区切りを受け継がないと、今同学年の子たちが上と下の学年に別れなければならなくなってしまいます。
つまり、今みたいに 4 月で新学年だから誕生日 4 月区切りにするのではなくて、9 月で新学年なのに誕生日 9 月区切りではなく、誕生日 4 月区切りのままにしておかないと、今学校に通っている子たちの学年をやり直して、同じ学年の子でも上下の学年に別れてしまうことになります。
たとえば、こうです…
4 月入学 2020 年 4 月に小学 1 年生
- 2013 年 4 〜 12 月生まれ
- 2014 年 1 〜 3 月生まれ (早生まれ)
同じ内容をもうちょっと細かく刻んで書いておきます。
4 月入学 2020 年 4 月に小学 1 年生
- 2013 年 4 〜 8 月生まれ ┐
- 2013 年 9 〜 12 月生まれ┴→ 上の書き方と一緒
- 2014 年 1 〜 3 月生まれ (早生まれ)
今いる小学 1 年生から高校 3 年生までは、9 月入学になったとしても、みんなが同じ学年でいなければならないので、4 月生まれの人から分けておくことを最後の卒業まで継続しなければなりません。 つまり、こうです…
9 月入学 2020 年 9 月に小学 1 年生
- 2013 年 4 〜 8 月生まれ ★
- 2013 年 9 〜 12 月生まれ
- 2014 年 1 〜 3 月生まれ (早生まれ)
9 月入学になっても構成は同じですね。
でも、入学月と誕生月と合わせるとなると理想的には、こうじゃないですか？
9 月入学 2020 年 9 月に小学 1 年生
- 2013 年 9 〜 12 月生まれ
- 2014 年 1 〜 3 月生まれ (早生まれ)
- 2014 年 4 〜 8 月生まれ (早生まれ) ☆
これらを比べると、
- 「2013 年 4 〜 8 月生まれ ★」の人は、今年小学 1 年生になったばかりだけど、本来は小学 2 年生になっていなければならない。
- 「2014 年 4 〜 8 月生まれ ☆」の人は、まだ幼稚園生だけど、本来は小学 1 年生になっていなければならない。
となると…
4 〜 8 月生まれの人は、本来よりも (つまり外国よりも) 1 学年遅くなります。
というわけで、今、単純に 9 月入学に移行すると次の問題を残し続けていくことになります。
- 9 月入学なのに 4 月の誕生日で区切って学年分けをする。
- 4 〜 8 月生まれの人は、本来よりも (つまり外国よりも) 1 学年遅い。
この問題を解消するために、「9 月入学と誕生日 9 月区切りを合わせる」、つまり「4 〜 8 月生まれの人を本来の学年に戻す」ことをしなければなりませんが、それには、ある年に、4 〜 8 月生まれの人を 2 年分一緒に含めてしまわなければなりません。
9 月入学 2020 年 9 月に小学 1 年生 (今年なのでずれたまま)
- 2013 年 4 〜 8 月生まれ (1 学年遅い)
- 2013 年 9 〜 12 月生まれ
- 2014 年 1 〜 3 月生まれ
9 月入学 2021 年 9 月に小学 1 年生 (だぶっていて人数多い)
- 2014 年 4 〜 8 月生まれ ▲ (1 学年遅い)
- 2014 年 9 〜 12 月生まれ
- 2015 年 1 〜 3 月生まれ
- 2015 年 4 〜 8 月生まれ ▲
9 月入学 2022 年 9 月に小学 1 年生 (理想に戻る)
- 2015 年 9 〜 12 月生まれ
- 2016 年 1 〜 3 月生まれ ┐
- 2016 年 4 〜 8 月生まれ ┴→ つまり 2016 年 1 〜 8 月生まれ
この真ん中の 2021 年入学の年がなければ、入学月と誕生月の区切りを合わせるようには直せません。
で、2021 年入学の子どもたちは、小学 1 年生から高校 3 年生 (大学もかな…) まで、単純計算でずっと 1.4 倍の人数で学年をやっていかなければなりません。(4 〜 8 月は 5 か月ですからね)
幼稚園の対応なども必要ですから、2021 年実施とはいかないかもしれません。 それよりも、もっと後の年に実施するほうが現実的かもしれません。
とはいえ、いつかはこのような調整をする年が必要です。 それがなければ、上に書いたように、
- 9 月入学なのに 4 月の誕生日で区切って学年分けをする。
- 4 〜 8 月生まれの人は、本来よりも (つまり外国よりも) 1 学年遅い。
が永遠に続くことになります。 それでもいいのかもしれませんが…。
そして、その問題を解消すべく、調整を実施したとして、その調整年の学年の子どもたちは、ずっと 1.4 倍の人数でやっていくことになります。
これは結構大変なことです。
まずは何をするにも、子どもたちの競争倍率が単純に高まります。
教員が足りるのでしょうか？
ハード面、学校設備は足りるのでしょうか？
受験の倍率はどうなるのでしょうか？
就職の受け皿はあるのでしょうか？
いろいろな問題があることは間違いないと思います。
9 月入学にすれば、今の小学生 6 年生、中学 3 年生、高校 3 年生にとって、いいことがたくさんあるのは事実だとは思いますが、なんだかいろいろ細かいことが気になってしまう A 型人間です。
(追記)
誤解する人がいるとマズイので…
誕生日の区切りを直すのは、来年以降、将来学校に入る人たちしか対象にできない話ですよ。 しかも、選ばれた「ある 1 年」だけ。
今もう学校に入学している人、つまり今の小学 1 年生以上の全学年は、誕生日 4 月区切りで新学年 9 月開始をやっていかなければならないはずです。
今ここで半年遅らせてしまうのだから、今の小学 1 年生以上の 4 〜 8 月生まれの全員は、一生、外国の学校の人たちよりも 1 年遅く通学することになります。
投稿: 2020/05/01 (金) 花園智弘
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