夜のリビング
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水曜日なのでジュニアの練習を終えてからの面会。 部活が終わって家で待っている長女を拾ってから府中に向かい、到着したのは午後 7 時半を回っていました。 昼間にいろいろとがんばったようでお疲れモード。 こちらが顔を出したときにはベッドに突っ伏してウトウトしていました。 声をかけても返事する元気なし。 これまで順調に回復してきていたけど、また少し後戻りしたかな、と感じたのですが……。
姉と妹が久しぶりに来ているから面会スペースまで会いに行こう、と誘ってもなかなか起きあがれない始末。 母が車いすで行ってみようと、なかば強制的に部屋から連れ出しました。 頭に傷のあるマルコメ君がボ〜っとした顔で車いすに座って廊下を押されて行くさまは迫力満点です。
姉妹の顔を見るとさすがに嬉しかったみたいで、笑顔を見せました。 とはいえ、姉も妹も、包帯を取ったマルコメ君の姿を見るのも、グロテスクな手術の跡を見るのも初めてのことなので、 どちらかというと最初は姉と妹のほうが少しビビったという感じ。 それでも、以前のような姉妹の会話が始まるのに時間はかかりませんでした。 やっぱり姉妹だと話が弾みます。口数も多くなって、これまで通りの口調が戻ってきました。 姉妹の力はスゴイです。
顔の右半分が動きにくい傾向があるので (たいしたことありませんが)、 こっち側も動かせ、とみんなで「ヘン顔」の練習が始まりました。 もともと、三バカ姉妹の中ではシホが一番の「ヘン顔」名人だったので、笑える顔のオンパレード。 途中で真顔になり、 「でもさあ…、目は動かせるし、鼻も動かせるし、口も動かせるけど、動かせないところがあるよ…」 とマジメに語り始めるので、何か問題かと多少動揺しましたが、 「みみ」と言って、顔全体を一生懸命動かしては耳を動かそうとしていました。 「○○先生は、耳動かせるんだよね」なんて言いながら。 ○○先生、今度見せてね！ それにしても、1 週間前は家族をおいて 1 人で別の世界に行ってしまうのではないかと不安を抱かせていた娘が、 今では顔をクシャクシャにしながらおどけて笑わせてくれているなんて信じられません。
車いすを自分の手で動かせることに気が付いてからは、 「ホッホッ！」なんて調子に乗って声を上げなら、向きを変えたり、あちこち移動したりしていました。 左利きだからなのか、頭の影響なのか、左手のほうがよく動いて、すぐに右回りしてしまうところが滑稽(こっけい)。 「そんなに元気なら、歩け！」って感じです。立って歩くのはフラフラしています。
…… 夜もふけて、家族で独占してしまった面会場所は、バカ笑いで近所迷惑な花園家の食卓兼リビングルームと相成りました。
次の土曜日に脳神経外科のほうで検査をすることになりました。 意欲低下とか、記憶力や学習能力などを確認するための知能テストみたいなことをやるそうですが、 病院の卒業試験みたいなものかな。 テストに合格することが大事なのではなく、能力が戻ってくることが大事なので、 本人にその検査について事前に何か言うつもりはありませんが、 どんな内容なのか父は個人的に興味があります。 一緒に受けてみたい気も……。
投稿: 2006/11/09 (木) 花園智弘
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